共同体感覚は社会を超える

共同体感覚への理解を深めるためには、『社会』と『世界』それぞれの概念を理解することが重要になります。

社会への関心

「嫌われる勇気」では、哲人と青年の以下のようなやりとりがあります。

哲人
哲人

共同体感覚のことを英語では「social interest」といいます。つまり、「社会への関心」ですね。そこで質問ですが、社会学が語るところの社会の最小単位は何だかご存知ですか?

青年
青年

社会の最小単位?さあ、家族でしょうか。

哲人
哲人

いえ、「わたしとあなた」です。ふたりの人間がいたら、そこに社会が生まれ、共同体が生まれる。アドラーの語る共同体を理解するには、まずは「わたしとあなた」を起点にするといいでしょう。

共同体が「社会への関心」なのであれば、その社会の最大値はどこにあるのでしょうか?最小値が「わたしとあなた」なのであれば、最大値は「世界中の人々」なのでしょうか?

「すべての悩みは対人関係の悩みである」というのがアドラーの主張ですが、アドラーの思想は対人関係に限ったものではありません。そのことを理解することが、アドラー心理学への理解を深める鍵になるはずです。

社会を超える

アドラーは共同体について、以下のように主張しています。

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